ナンバーワンとオンリーワン

朝の1時間はパターン製作の時間。

ふと、頭の中に出てきた。以前、オーダーにはならなかったけど、1人のご来店された方のことが頭の中に出てきました。

世の中には、誰もが知るハイブランドがあります。
ハイブランド好きな方はハイブランドしか持ちたくない。デザインも全く同じで偽物を持ったとしても、デザインが同じなら良い。そんな方を思い出しました。

「ナンバーワン」と「オンリーワン」。

似ているようで、実はまったく違う価値だと思っています。

長い歴史の中で培われた技術やデザイン、ブランド力。

それらはまさに、その時代の「ナンバーワン」を示す存在なのだと思います。

だからこそ、多くの人が憧れ、手にしたいと思う。

でも最近、私は少し時代が変わってきているように感じています。

以前のように、

「ハイブランドだから欲しい」

「有名ブランドだから持ちたい」

という価値観だけではなくなってきました。

本当に大切にされているのは、

誰が作ったのか。

どんな想いで作られたのか。

自分にとってどんな意味を持つものなのか。

そんな背景や物語に価値を感じる人が増えているように思います。

ナンバーワンは、誰かと比べて決まるものです。

売上や知名度、評価や実績。

それらは素晴らしいのですが、常に競争の中にあります。

一方でオンリーワンは、比べる相手がいません。

その人だけの経験。

その人だけの感性。

その人だけの人生。

誰にも真似できない価値です。

私は革職人として仕事をする中で、

「世界にひとつしかないもの」

にたくさん出会ってきました。

お母様から娘様へ贈られたバッグ。

長年使い込まれた財布。

大切な人との思い出が詰まった革製品。

それらは決して高価だから価値があるのではありません。

そこに刻まれた時間や想いが、何ものにも代えられない価値になっているのです。

だから私は、ナンバーワンを目指すよりも、

オンリーワンでありたいと思っています。

誰より優れていることより、

誰にもできないことができること。

誰かの人生に寄り添い、

その人だけの物語を形にできること。

それこそが私の仕事の価値だと考えています。

ハイブランドが持つ価値を否定するつもりはありません。

むしろ、その歴史や技術には敬意を抱いています。

ただ、これからの時代は、

ブランド名で選ぶのではなく、

「自分にとって価値があるかどうか」で選ぶ時代になっていくのではないでしょうか。

ナンバーワンにはなれなくてもいい。

でも、自分だけのオンリーワンにはなれる。

私はこれからも、

誰かと競うためではなく、

誰にも真似できない価値を生み出すために、

革と向き合い続けたいと思います。

誰にでもできることではなく、誰にもできなかったことを形にする。

それが、私の目指すオンリーワンです。

1人でデザイン、パターン製作、縫製とゼロから全てをこなしているので、お待たせする時間がどうしてもあります。

誰にもできなかったことを仕事にしている実感があるから、今のままで形態を変えるつもりはありません。

誰もできなかったことだから、見本となる方が誰もいない。
模索しながら、もがきながら進んでます。

裏方の革職人が表舞台に出てる人はいない。

誰も成し遂げてないことをチャレンジしています。

私の想いが伝わり、たくさんのオーダーをいただけてることが本当に嬉しいです。

今週も製作頑張ります!

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